7月22日(水) 旭川の1日 


朝の目覚めは快適。いの一番に今日は沢山ビールが飲めるぞ、ということを思った。朝食は普通くらい。昨日と同じメニューなのであまり食欲は無し。

 旭川に着くとバスに乗るのは我々だけという前代未聞の事態になった。ガイドは私の目を見ながら話しかけるので、それに答えるのが結構疲れた。午前中印象に残ったのは、三浦綾子記念館とアイヌ記念館。人が少なかったのもあってゆっくり見られた。三浦記念館の周りは見本林ということで森林浴もできる閑静ないいところだ。

 昼を急いでかっこんで、またバスに乗る。午後は屯田兵の記念館が楽しみだった。というのも歴史で走っていても実際にはどういうものか今までに触れたことはないからだ。説明を元校長先生という人がしてくれた。わかりやすくておもしろかった。もう少し時間が欲しいところだ。それから男山酒造の飲み比べもよかった。結構、飲んだ。ただだと思うとすぐにこれだ。でもおみゃげも沢山買ったから許されるだろう。そしてそして、優佳良織りのセカンドバッグとマフラーを買ってもらったのだ。これはお揃いでちょっとおしゃれ。早速使っている。

 夜はまた夜の街に繰り出す。今日は大通公園のビヤガーデンだ。まず地ビールのコーナーで5種類を楽しむ。が、味はいまいち。口直しにサントリーで飲み直し。東京人はサントリービールというと馬鹿にするが、札幌で飲むのはおいしいのだ。その後はまっすぐホテルへ。風呂に入って寝る。


則裕の記録

 今日も朝は4時半には目を覚ました。順さんの体調が本当ではないので、夜で歩くこともなく、実に健康的な生活をしているためで、おかげでこの時間を利用してPHSでインターネットをやっている。ホテルの向きの問題だろうが、窓側でないと電波の受信状態がよくない。朝御飯を7時少し前にホテルで摂って、7時10分過ぎにはホテルを出た。今日は8時のスーパーホワイトアロー1号で旭川に行くためで、既に座席指定を受けているので、そう早くでなくてもよいわけだが、習性でしょうがない。結局札幌のは7時30分ごろついた。

 少し休憩してから、ホームにあがって電車の人となった。昨日の臨時特急と違い、JR北海道の誇る電車特急なので、快調に飛ばす。旭川まで実に1時間20分だ。列車は満席状態で、ビジネス客が目立った。旭川で、今日も観光バスに乗った。市内観光バスで、1日を過ごす。実は、東京を出るときの天気予報だと、今日は雨の日だったので、室内中心のコースを選んだのだが、実はこの後今日はバスを降りるまで、薄曇り状態はあったものの、一日中比較的良い天気だった。

 最初に行ったのが、見本林と三浦綾子の記念館。後者は見本林の一角を占めている。見本林はこの地に適する木を研究するためのもので、今年で最初に植えた木から丁度100年になるという。三浦綾子は、氷点や石狩峠で知られるキリスト教の人類愛をテーマにする作品を残している作家。現在では、パーキンソン病と直腸ガンでかなり弱られているとのことだが、なお存命中で、ご主人お手を借りて今日なお口述筆記で作品を書いているそうだ。順さんは氷点の何度かテレビドラマ化された作品を見ているようで、ガイドさんの説明にも頷いて聞いていたが、私はよく分からなかった。

 そうそう、実はこの観光バス午前中のコースはお客は我々2人しかいないのだ。ガイドもこんなことは初めてということで、午前中はマイクも使わず、何か順さんと世間話をしているような説明だった。

 次には北海道伝統工芸村と言うところに言った。この大げさな名前の付いているところは、元来は優佳良(「ゆうから」と読む)織りの工芸館だったところで、現在ではその建物と外国の織物を集めた国際織物工芸館と北海道の冬の厳しい自然状態の一端を見せてくれる雪の博物館の三館をまとめてこう読んでいる。実は午後のコースでもここに立ち寄る。一見理不尽に思えるこのコースづくりだが、そうではない。この三館を見る時間は半日はかかるから、午前中で半分見て後を午後に回すということで、午前午後両方乗るお客はゆったり見学できるように工夫されているのだ。午前中は前半の二館を見た。共に一度以上見ている施設なので、感激はなかったが、いつ見ても優佳良織の美しさには感激する。

 午前中の最後は、アイヌ記念館に行った。素朴な記念館だったが、それもそのはず、ここは個人経営の記念館だった。北方民族を追いやった我々祖先のために、不遇な状況に置かれている姿は、直接的な責任というものはないにしても、心が痛む。

 昼食に旭川に戻ってきたが、あまり時間がないので、丁度バスを降りた目の前のホテルのレストランで食事をした。税抜きだが、680円で飲み物から、デザートまで付いていた。夏は旭川で暮らしたい。

 午後になって観光バスは姫路からの夫婦を加えて4人になった。

 最初に優佳良織りのところに行った。まず見残している雪の博物館を見て、それから順さんお目当ての優佳良織の即売コーナーに行った。ここのアウトレット部分では、高い優佳良織が幾分か安く買える。我々も既に4〜5点持っているが、今回はマフラーと一寸した小物入れを買った。共に流氷をデザインした作品を選んだ。選択に手間取っていたので、バスの定刻に1分遅れた。その分順さんも走ったが、自分の買い物をしたせいかもしれないが、特に疲れた様子は見せなかった。

 次に昔の軍隊(旭川は北海道随一の第7師団の駐屯地だった)の将校クラブだったところを使った、旭川ゆかりの人たちの彫刻美術館と、その隣にある旭川生まれの作家井上靖の記念館を訪れた。あまり興味がないので、これといった感激はなかった。このころになると、順さんは疲れてきたのか居眠りを始め、ガイドさんにゆっくりお休みくださいといわれる始末。

 だが、順さんは突然復活する。ガイドさんがこの次は男山酒造です。みなさんお酒は好きですか?と聞いたとたん、彼女は大好きですと答えた。現金なものだ。というわけで、説明員の説明もそこそこに、試飲をした。有料試飲もあって、酔わないうちにそれを飲んだ。それから結構試飲をした。ここは、無条件に飲ませてくれるので、私としてもえらく気に入った。最後に職場にお酒を送って酒蔵を後にした。

 最後に訪れたのは、兵村記念館という、かつて北の地に渡った屯田兵の記念館を見た。ここでは、名寄小学校を最後に退職したという御年87歳の元校長の丁寧な説明が長く続いた。いかにもという説明だったが、最後にバスの姿が消えるまで見送っていたのには、その人の人柄がしのばれた。(尤も都会の我々がすれすぎているのかもしれないが。)

 おかげでバスは少し遅れて旭川に戻ってきた。帰りの電車は既にホームにおり、すぐに車上の人となった。

 そうそう、旭川の駅ではホームでビアガーデンをやっており、道新によれば。昨日から始めたもので、入場券がおつまみの引き替えになっていると言うことで、17時頃既に結構盛況であった。

 帰りの特急は結構混んではいたが、我々のところで指定券は売れ残ったのか、足を延ばした状態で札幌まで帰ってくることが出来た。

 帰ってからは順さんの書いてあるとおり。例年札幌ではこの時期大通り公園で札幌夏祭りの一環として、各社競演のビアガーデンが大通りの丁目毎に出来る。今年はその中で、地ビールの会場が出来た。しかし結果は、私たちの評価で言えば、あまりいい点は付けられない。

 最後の順さんが書いているようにサントリーのエリアで飲んで帰ったが、その前後して生のトウモロコシ焼きと新じゃがバターを食べた。これは今日から始まったもので、風物詩をここでも食べたことになる。