5月13日(水) 入院第1日目

 8時過ぎに家を出た。1人でいいとは言ったものの、やはり1人とは心細いものがある。まだ終わらないラッシュの中をリュックをかついでの移動も結構なものだった。

 約束の10時ちょっと前に病院へ到着。すぐに病室へ通された。130号室。個室とは知っていたが、病院と言うよりホテルの一室のようだ。バストイレつき、クロゼットに流し台もある。勿論電話、冷蔵庫、空調つき。ただ一つ不満なのがテレビがただで見れないこと。野球くらいしか見ないのだけれど、自由に見れないというのはつまらん。病室の設備

 とにかく早速にデジカメを出して、室内をとりまくった。看護婦が説明に来るというのでそれまでにと慎重にとった。そのあと、パソコンの接続を確かめて、これを書いている。現在10:20也。

 まもなく3時になる。4時のMRIまで何もすることがないので退屈。本を1冊読み終えてしまった。その後、陽水を聞きながらクイズをしている。陽水の「愛は君」を聞きながら、則が「契約違反だよ。」とぽつんと言った言葉を思い出した。そうなんだ。私の方が長生きして、則を看取ることになっているのだ。

 これまでに、アレルギーテストという簡単な注射を2本した。ツベルクリンのような皮下注射だ。それから外来で受けたと同じような質問をもう一度繰り返された。しばらくしてから、A医師の回診と(と言っても軽く話をしただけだが)婦長の挨拶を受けた。2時に検温したが、その後看護婦は来ない。

 4時過ぎにMRI。前と同じなので特にどうということはなくすんだ。造影剤も順調にはいった。部屋へ戻ってパジャマに着替えるとタイミング良く則が来た。早速荷物の整理をして、諸々の電気類のセットをしてようやく生活の場になった。6時になると食事。ここはルームサービスで、部屋まで届けてくれる。豪華な食事だった。昼食をとっていなかったので全て食べた。おいしかった。

 7時過ぎに則が帰る。野球を見る気にもなれずベットに横になる。8時20分A医師の回診。今度は患部を見て、よしよしと納得して終わり。明日手術について話があるということだが、何時になるかは分からないと言うことだ。きっと今日もこんな時間まで仕事をしていたのだろう。明日は木曜日でたくさんの患者が詰めかける日だから、ホント、時間は分からない。それにしてもよく働く先生だ。もっともそれだけこの先生を頼って各地から人が集まってきているのだ。それに十分に答えているのだからすごい。


則裕の記録

 今日もけっこうめいっぱい仕事をした。朝、順さんの荷物を持って出かけたので、混んでいる時間帯を避けたせいで、7時30分前には職場に着いた。限られた時間で処理をしなければならないのだが、仕事は勝手に舞い込んでくる。今日は新宿区の教員集団の研究会があって、時程が変更になっており、午後は教頭を残し教員は学校を後にしていた。そのため、やや仕事が順調に片付き、無事に定時に職場を飛び出した。

 事前に順さんからPHSに電話がかかってきていたので、迷うことなく病室へ。MRIを終わってきたところということで、横になっていた。

 順さんが書いているように、(たぶん遠くからの来院者も多今日の夕食いと言うことだろう)何から何までそろっているという感じの病室だ。私が入院していた病室よりも広さの点では劣るものの、快適度は数段上だ。

 早速荷物を開けて、電気製品類をセットした。そうこうしているうちに、夕食の時間となる。夕食も病室まで運ばれてきた。私は途中のコンビニで買ってきた粗末な弁当を、順さんはうまそうな夕食を、それぞれ食べた。

 食事後、病室の電話からインターネットを試みたが、うまく接続できなかった。PHSの電波も届かないので、万事休すだ。幸い病院前にネズ電が有るという順さんの話なので、そのうちトライすることにして、PHSのモバイルセットは自宅へ持ち帰ることにした。

 明日A先生の診察が何時頃有るかを順さんに聞いておくように言って、7時14分病室を出る。7時27分O駅から電車の乗る。9時前には自宅に着く。気が高ぶっているのか、疲れはあまりない。