’９９年２月１日（月）～１０日（水）

日	曜	「私」の記録	「則」の記録
１	月	午後卓球に誘われたが、やや風邪気味の気がして、用心してやめた。やればできないことはないと思うのだが、まだインフルエンザが下火になっていないので、用心に越したことはあるまい。　明日は５時間授業のうち３時間が専科で仕事が一杯できそうだ。	今日から２月で、忙しさが倍増。この２月は少し働かないと終わらない。で、今日は早速残業。　順さんの体は見かけ上問題があまりないように見える。職場の左記のような行事意外の生活はおおむね病気以前に戻ってきている。問題は、少しばかり残っている抗癌剤の影響と言われる手のしびれではなく、病気であった事実の方だろう。
２	火	則が遅いので、珍しく夕食を作った。が、菜箸で野菜をかき混ぜていると、腕に違和感が走る。我慢できないほど痛いとか痺れるとか言うのではないのだけれど、時折ピピピと電気が走るような、カクッとおれるような変な感じがする。まだだなあ、と言う感を強くしたが、他の主婦の人は大変だなあと思う。　私は則に甘えっぱなしでみんなやってもらっている。	今日も残業をして帰宅。ところで、そろそろ年末調整。順さんの分の計算もしなければなｒない。ついでに妹にも計算するように電話したら、相談会があるので、そこに行くとのこと。色々計算しても１００万には届かなかった。支払った方にしてみれば、もっと支払ったような気がするので、そんなものかなぁと言うのが感想。
３	水	また則は夜遊び。一人寂しく仕事。なんてこと言って、実際には帰りにもらってきた旅行のパンフレットを見て夏の予定を考えている。　今のところそれが唯一の楽しみかな。　全国的に記録的な大雪。降っていないのは沖縄と東京くらいだ。予報では東京も雪模様だったのだが、免れたようだ。が、非常に寒い。　近くの洋品店で、５割引バーゲンをやっていたので、また沢山買い込む。	仕事は相変わらずの状態。　同僚と飲んだ。けっこう飲んだので、また日記が１日遅れになった。最近どうも弱くなった感じがする。また順さんに迷惑をかけた。いかん。
４	木	今日は寒かった。分厚い格好で出かけたが、外は寒波まっただ中。　帰り道、５年ほど前に卒業させた子の親と会った。相当なワルになっていて、環境を換えるために引っ越しを考えていると言うことだった。　親はいつまでも大変だ。	今日もまた飲んだ。さすがに控えめに飲んだ。　順さんも飲んだが、特に変わったところはなし。　さて、結構肉襦袢のある身にも、骨までしみるような寒さだ。風邪に気をつけなければ。
５	金	疲れた。２週続けて土曜日までと言うのは、つらいものがある。気分的に思い。　それがいっそう疲れを助長する。　則はいい気分で踊りまくっている。脳天気でいいなあ。	今日もまた飲んだ。破滅的な感じもしないではないが、仕事が大変な分、その反動か？自分では平常心のつもり。もっとも控えめな飲み方だが。　風呂に入って、早めに寝る。
６	土	えっ、生理？それとも不正出血？夕方ごろからおなかが渋いと思っていたら、出血があった。量も結構。数日前から下り物が少しはあったが、前兆だったのか。　それにしても、もしこれが生理だとしたら、則ではないが怪物と言うことになる。６ヶ月ぶりのことだ。　いずれにしろ、来週人間ドッグへ行くので、相談してみようとは思うが、Ａ医師にした方がいいのかな。でもすぐに来いと言われるのも困るし、まあ、来週待ちかな。少し様子を見てみよう。　気の重いことだ。	土曜だったが、仕事が忙しくて出勤した。　さてホルモン療法の危険性（リスク）は子宮癌になる可能性があるということ。出血はどうしてもそのことに。順さんによれば、生理の直前のおなかの痛さとか、軟便状態になるとか、そうした兆候と同じ状態だという。また、相当の出血ということで、再開の可能性もある。　これも順さんからの聞き書きだが、だいたい若い人では、抗癌剤で一時的な閉経状態になった人も、投与終了から６ヶ月くらいで再開するということだ。計算は合うが、しかし順さんは５０を越えたのだから、その可能性は低い。（文献的には４５歳以上であればそのまま閉経するのが普通。）　心配であるが、人間ドックも５日目に控えているから、一応それは受診するが、週明けの月曜日にはＡ医師に電話するように順さんには言った。　キャンサーネットジャパンによれば、「エストロゲンの内服を始めて２～４年すると子宮癌になりやすくなり」とあるから、まだ危険域ではないようにも思えるが、更埴中央病院医師唐木芳氏のサイトでは、閉経後の患者は１年以内に（閉経前の患者では７年くらい）発病する例が多いとも報告されている。　ただその自覚症状だが、「ほとんどの場合性器出血」と書かれているが、その量や状況の詳細な記述はない。　その後子宮癌の体験ページ（乳癌より子宮癌の方が多いのか？）を見ると、子宮胃ガン検診でひっかっかることの多いこと。やはり人間ドックオプションを選択すべきか。でも、病院では十分その危険性を認識しているはずなのだが。とにかく、Ａ医師の指示を仰ごう。　さてその後だが、生理の一番ひどい日と同じで、２時間間隔。幾ら何でも子宮癌はかくも急激にやってくるのか？
７	日	今日も生理日。痛みや不快感はなく、全く通常の生理日と同じなのだ。違うと言えば、閉経間近で量がものすごく多かったのが、若いときと同じ程度の量に戻っていると言うこと。それでも、異常出血と言うには多すぎる量なので、本人は生理が復活したと思っている。若い人はこれで喜ぶそうだが、私は終わったと思って喜んでいたので、がっかりだ。ただ、最悪のシナリオも考えてはいる。飲みながら、その辺のことも則と話し合った。　以前は再発もしくは移転したらすぐに職を辞そうと思っていたが、まことに申し訳ないことだが、自分のこの世での存在を意義つけるためにも籍だけは抜きたくないと思うようになっている。　則は主婦になってもいいと言ってくれたが、そうなった場合、私にはなすべきことがない。	実は今日は買い物に行く予定だったけれども、順さんのことがあって、中止。住んでいる区の保健所のメニューを見たが、乳癌検診はやっているが子宮癌検診はやっていない様子。やはり人間ドックを待つしかないか。ともかく、順さんも当然ながらことの成り行きに不安は隠せない様子なので、月曜日にはＡ医師に電話するように約束をする。学会などが入っていなければよいが。　とはいえ、深刻な状況で我が家が今日過ごしたわけではなく、昼はちょっと用があって外出したし、夕方まで午睡を含めて、春に発刊する小冊子（日本全国の小中学校に無料配布される）の原稿のチェックを順さんと行ったりで、結構忙しかった。　夕食は例によって、ちょっと一杯。
８	月	早速、病院に電話した。即座に「おめでとう。」とのことだ。あの先生らしいと言えば先生らしいが、だって、もう終わると言ったではないの？と言ったが通じなかった。要するに生理が戻ったということだ。痛みが伴ったり長引いたりしない限りは気にしなくて良いとのことだ。　様子を見て、また心配なら連絡を下さい、という事で終わった。　今日は、あまり量は多くなかった。そろそろ終わりに近付いているという感じの量。　とうとう風邪を引いた。ふんだりけったり。鼻風邪のようで、マスクがとれない。息苦しいが、代わりに、子どもたちには優しくしてもらった。「明日休むかもしれない。」と言ったとき、無反応に近かったのに驚いた。普通なら、先生が休むというと、「ヤッター。」とかほざいて喜ぶのに。	風邪を順さんが引いた。昨日一昨日と順さんの寝付きが悪かったのだが、それはそれとして、寝ている間はくしゃみなどしなかったのだが、朝起きたら突然くしゃみを始めた。　夕方近所に者に連れていく。この間私自身が風邪にかかったときのお礼を言う。　おめでとうと言われた順さんは、一応安心したようだ。医者の帰りに赤飯のにぎりを買って食べさせた。お祝いだ・・・　人間ドックの婦人科検診は、子宮頚癌の検査か体癌なのかと、質問の電話までしたのだが、それも無駄に終わった。（だいたい男の私がそうした質問をするのは、非常に勇気がいる。もう勘弁してもらいたい。）
９	火	風邪のため、２時間遅れの出勤。調子はまあまあ。昨日ほど鼻水がでないのが救い。　気分もそれほど悪くないが、まだ注意状態で、気は抜けない。	まぁ、順さんが一応元気になったのはよいことだ。とにかくお騒がせの数日だった。正直青ざめた。いろいろ考えてしまったし、このページだってシャレにならないよなぁ・・・って思っていた。　ただ人間ドックでは体調の関係もあるが、可能ならば体癌の検査はやった方がよいのかなぁとも思っている。　順さんの風邪はやはり心配と無関係ではないと思う。明日の晩はまた医者に行くのだから、心配はしていないが（この近所の開業医は月・水だけだが、８時３０分まで開いていて非常に助かる）。
１０	水	まだ風邪っけが抜けないので、午後早退。夕方医者に行く。大分良くなっているが、４日間の薬をくれた。　その先生、もう１４，５年前に卵巣を手術したそうだが、悪かったのは片方なのに、もういいでしょという医師の言葉で両方とも取ったのだそうだ。ｌこの医師、多分男性だろうな。もういいでしょ、と言う発想。　私の場合とは違うのだろうけど、良くも簡単にそう言うセリフが言えるものだと思ってしまう。「もういいでしょ。」なんて臓器はあるはずがないと思うのに。	いよいよ移転準備も本格化してきて、職員会議での説明などがあり、あたふたと過ごした一日だった。順さんもそうだろうが、休むとなるとそれなりに大変で、こうした自身での努力を伴う休みは、果たして正当な休みなのだろうかと疑問に思う。　さて明日から人間ドック。どういう結果がでるか？