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2001年1月1日(月) カバー・ウシュマル

・・・暫定版で写真掲載の際に大きく変更される可能性があります

 【幕開けは郷土が生んだ偉人の足跡から】21世紀の幕開け・・・と言ってどうという感慨もなく淡々と夜は明け、時間は過ぎてゆく。7時30分に朝食をとり、この旅行で唯一と思われるゆっくりめの9時に出発。9時16分、ホテルらかほどなくの町中にあるオーラン病院着。ここで野口英世の像を見る。日本の玉川大学の寄贈の像で、ここでも研究をしていたことが分かった。写真を撮って直ぐ9時20分に出発。
 さて、メリダという町。隣の家と同じ色にしてはならないと言うので、色とりどりだ。また、ピンク・フランボラン(多分)という桜に似た花も咲いており、きれいだった。

 【カバーの遺跡】10時40分にカバー着。まずはお目当ての仮面の神殿(ゴズ・ホープ=巻いてあるござ)。バスの駐車場の反対側にわたって入り口の右手にある。ここは一面に雨の神チャックの顔が張りついている。鼻が上向いている像は雨を望み、下を向いているのは降雨の礼を示すという。内部にはいるためのステップさえチャックの鼻になっている。
 これらの建物の前には、円柱の石が置かれている場合が多い。男性のシンボルであり、豊かさや反映を現すものということだ。またこの地方は仮面の神殿のおびただしいチャックの像でも分かるように雨にそう恵まれていなかったので、ため池がそこかしこに造られていた。神殿の前の円形の穴は皆その名残だという。仮面の神殿はウシュマル側から来たときの玄関(相手を驚かす・威嚇する)の役割を果たしていたようだが、その反対の面にはこの土地の神官だろうか、そうした者の像があり、この土地の人々に対する建物としての玄関の役割を果たしていたという。次にこのエリアのもう一つの建物である、二層の宮殿。入り口からは正面、仮面の神殿からは左手奥にある。ここもさまざまな意匠が凝らされているが、ため池などがあることは同じ。
 道をはさんだ反対側に延びるサクベ(この時代の国道と考えればよいだろう。1メートルくらいの盛り土の上に白い石畳が続くものであったらしい。)を少し行くと、大きなマヤアーチがある。ヨーロッパ的な感覚でいえば凱旋門の風がある。ウシュマルへ到る道の門となるもので巨大さは見ごとであった。門だけで周りに塀がないのはジャングルがその代わりになっているので必要ないのだそうだ。11時30分カバー発。

 【現代のマヤの住居見学】昼食の場所へ向かう途中、11時45分にマヤの人の家による。機織り(ハンモックをつくっていた)やトルティーリョ焼き、それにエネケンから繊維をとる様子などを見学でき、非常に興味深かった。以前はエノケンというサボテンから繊維をとり、それを使ってロープを作っていたそうだ。燃えにくいものとして人気があり、エネケン長者なる者もいたらしいが、今ではナイロン等に変わられ、袋などの民芸品を作っている。マタヒデカラというおもしろい木もあった。12時3分そこを辞す。
 12時20分にウシュマル着き、昼食。YAXBEH UXMAL YUCATAN にて。トルティーヤのスープ、鶏肉とインゲン豆のソース、ライス、トルティージャ、コーヒー・紅茶。

 【ウシュマル】13時30分よりウシュマル見学。入り口から入っていくと、最初に現れるのが魔法使いのピラミッド。
 魔法使いはなかなか子どもが授からなかったが、ある日一つの卵を産んだ。それがかえると小人が現れ、小人はやがて時の権力者の家来となった。権力者はさまざまな難題を出しては、小人を苦しめ、そのたびに母親の魔法使いの助けを受けた。一夜でピラミッドを造れという命令を、母親が達成したのがこのピラミッド。実際は何代かの改修があり、それがいく層もになって洗われている。残念ながら、先年死亡事故があった等の理由により、登はんはここも禁止されている。しかしながらこの姿の美しさは、チチェンッツァの端正なピラミッドにも劣らぬものだ。いやそれ以上といっても良い。魔法使いという名からは想像できない優美な姿がそこには存在する。
 次に尼僧院。東西南北に建物が存在し、かつそれらはそれぞれ意匠も高さも違う建物になっている。スペインなどにある中央広場のような感じのものだ。大きさは巨大だ。尼僧院と名付けたのは侵略者のスペイン人だが、実際はどのような目的のものであったかは定かではないようだ。おそらくは学校のようなもので、神官、戦士、商人、農民のそれぞれの建物に分かれて勉強していたと想像されているようだ。これら建物にもレリーフが残されたりチャックが飾られたりしている。
 球技場を通って総督の館へいく。ここの球技場はチチェンイッツァのものよりは小さいが、ボールを通したという穴は大きかった。もちろんその周りに彫刻された文字もはっきり見てとることができる。壁面についていてへびの胴体が壁から剥離して地面に置かれていた。
 総督の館は、巨大な建物だ。前庭には男性のシンボルがあり、更にその前には双頭のジャガーの形をした玉座を持つ台が置かれている。ここも基壇があり。その上に長大な建物を支えている。一段高いその基壇からのぞむ魔法使いのピラミッドや尼僧院が美しい。とくに魔法使いのピラミッドが密林の中に浮かび上がっている姿は神々しささえ感じる、今回則が一番気に入った風景だ。
 総督の館の右下には亀の家がある。倉庫のようなものに使われたらしいが、家の上部に亀の彫塑が飾られているのでその名がある。
 最後に大ピラミッド。これは例の小人が母のために経てたとされるピラミッド。ここに登るとそのとなりにあった鳩の家なども眼下に望める。もちろん魔法使いのピラミッドも望めるが、高さが高い分鳥瞰的になる。この頃になると、順さんも高さに慣れたのか、あきらめたのか黙々と登っていた。
 遺跡の入り口の戻り、本とカレンダー購入。15時35分出発。

 【メリダへ】16時50分にメリダのソカロ着。正月ということもあって、沢山の露天がでていた。道を挟んだところにはモンテホの家もあった。それらを一通り見回してから、大聖堂を見学した。城塞をかねていたそうで造りは頑丈だ。ちょうど祈りの前の時間で、多くの人が集まっていた。また、メキシコの教会の特色なのだけれど、ここにも黒いキリストの像があった。これはインディオたちを引きつけるために同じ肌の色をした神を創造したことによるらしい。ただ、ナシミエントの赤ちゃんキリストはどこでも白い肌だったように思う。
 17時5分発。メリダは中国移民が多いとか、シデ・アバネロと言う最も辛い香辛料にあたったらライムに塩をかけて口に含むとか、トリオ発祥の地などという話を聞きながらホテルに向かう。町を散策したければ、馬車で一周というコースもあるそうだ。そういえばマックはあるが、コンビニは見つからなかったなあ(メキシコなどでは○××○というコンビニを沢山見かけた)。
 17時30分 ホテル着。

 【ホテル】昨日と同じ エル・コンキスタドール 1708号室

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