実はイタリアという国は地図上にだけ存在していて、実際は都市国家の名残を引き継いでいる、いくつかのその地方毎の独特の文化や気質を持つアイデンティティー出来る人々の住んでいる地域の集合体であるとも言われる。だからイタリアは行く先々で違う姿になって現れると聞いていた。したがってイタリアというまとめた言い方は、観光客にとってもふさわしくはないのかもしれない。実際に我々がその気質の違いを知ったのは、カプリ島での出来事だった。乗り合いの観光ワゴンの運転はまるでジェットコースターのように乱暴だった。島の斜面に這うように作られて道路をスピードを落とさずに、しかも同僚と大声でしゃべりながら、時に脇見運転!でもそれが恐怖心にならなかったのは、彼らの陽気さのおかげか。
さて今回はタイトルにあるように、観光初日に見た「最後の晩餐」と観光最終日に見た「最後の審判」のルネッサンス期の二大巨匠であるレオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロの作品の感動が強い印象になって残っている旅だった。もちろんフェノ・ロマーノやポンペイもよかったが、今回は遺跡よりもこの二作品の感動がそれを上回って強かったと言うことだろう。(次ページへは上の写真をクリックしてください)