第四日目 7月23日(月) あめ・はれ・くもり
聖獣バロンの戦いを描くバロンダンス鑑賞。
デンパサール市内観光・・・○アートセンター○1,000羽を越える珍しい鳥たちに会えるバードパーク。○海の神を祭るウルワツ寺院
ショッピング・・・免税店。
夕方・・・タナ・ロッタで寺院の景観と美しい夕日鑑賞。
H:中華料理:シーフード バリ島泊
【スコールの中を】
今日は4日目。でも、今回のツアーは観光は実質3日間なので、今日が観光最終日だ。本来なら明日にも観光が計画されていたのだが、明日を終日自由行動にするために、明日の予定も繰り入れたので今日も盛りだくさんのメニューをこなさなければならない。
スコールの中を8時30分に出発して、まずバロンダンスの会場へ向かう。昨日は日曜日だったので道路は空いていたが、今日は通勤通学のバスやタクシーで昨日と比較にならないほど混んでいた。しかもこちらの実質の新学期のスタート日とも重なってのことだろう。我々のバスはかなり先を急いだにもかかわらず、時間は過ぎていき、バロンダンスの会場に着いたのは約5分前。今日も危うく滑り込んだ形となった。今日の会場は昨日より大きい。また、観客も昨日は日本人が大半だったが、今日は沢山の国々の人がいたように思う。
【バロンダンス】
バロンダンスというのは、中身的にはラーマーヤナと似ている。つまるところ王子救出がテーマ。バロンというのは正義の魔物で四つ足。かつ手を持っている、日本の獅子舞に似たような動物だ。それに対して悪を象徴する動物がいる。人間世界を象徴しているとのことで、結局決着は付かないまま終焉となる。
ケチャックダンスもそれなりに楽しめたが、バロンダンスの方が分かりやすかった。こちらは王子を演じるのは女性で、色男
を表しているようで、歌舞伎の初期と似ているようでもあった。また、男が振り回されるとトンボを切るような仕草もあり、これは現代歌舞伎に似ていると思った。
バロンダンスは戦いのシーンも、魔法使いによって気が狂わされるシーンも動きが大きく、活動的であった。その分、単純明快なのかも知れない。たっぷり1時間使って演じられ、見応えがあった。
【バードパーク】
次に、その近くのバードパークというところへ行く。バードパークの駐車場から入り口の方へ歩いていく所にもヒンズー寺院があり、丁度祭の最中であった。本当にバリは何処かで必ず祭が行われているというガイドの説明を、言葉通り証明するものとなった。
バードパークは、インドネシアの鳥を中心に世界中の鳥を集めているところで、それなりに沢山の鳥がいたのだが、いかんせん時間が短くて駆け足の見学となってしまった。これは順さんの意見だが、今回の旅行は大体見学時間は1ヶ所30分くらいということだったが、まさにその通り。良く言えばサービス精神旺盛の日程である。こちらとしては希望していないところまでこれでもかという感じでバリを味わわされる。
バードパークでは案内人が日本語で説明してくれた。観光客も多い。中国系の人が目立った。
【アートセンター】
次にアートセンターへ。ここはバリの絵画や彫刻を中心とした博物館で、観光客は殆どいなかった。その分物売りもほんの数人という感じしかいなかった(それでもちゃんといるのだ)。
博物館と書いたが、バロンダンスのバロンなども展示されていた。また、絵画などもバリの生活が描かれていたりして、バリの人々の生活を伺うことができた。ここは貴重な訪問先だと思った。
【買い物】
次にプラザ・バリへ。東京の原宿にも同店の支店(?)があるというショッピングセンター、というか免税店だ。ここで最初に昼食をとる。中華料理だが、味はあまりパッとしない。バリ料理そのものもそうだが、辛くない。というより少し甘い物が多い。ジャワより気候が温暖というわけでもないのだけれど。おそらくは観光客向けの味付けなのだろう。
昼食が終わると約1時間買い物タイムとなる。何も買わない我が家としてもここでは民芸品2点とビーチサンダルを買う。2割引セールをやっていたからだ。ビーチサンダルは明日の自由時間海に行くための物で、2.4US$だった。これで、あとはビールの代金だけを残してインドネシアルピアは使い果たした。
ところでインドネシアルピアだが、我々の滞在中で1円が85ルピアくらいだった。だからトルコに行ったときと同じように0がいっぱいつく。例えば昼食で飲んだビールが2万から3万ルピアというように。しかし、日本人観光客というか、観光で成り立っているバリでは先進諸国の通貨は殆ど通用してしまので、両替所も沢山あるが、それはあまり必要ではなかった。勿論釣りはルピアであり、レートは悪くなるけれども、現地人はお金が入ると買うのは金か円か$だそうだ。貯金はかつての景気のよかったことにはしたが今はあまりしないそうだ。
【ウルワツ寺院】
次は、また約1時間かけて、本来なら明日行く予定だったウルワツ寺院へ行く。ここは左右に寺があり丁度湾を挟んだ絶壁に両寺ともそそり立っている。観光の我々はその風光明媚な景色を観賞していくという趣向だ。右側の寺院の近くまで行ったが、中には入れない。シルエットを遠景で楽しむところなのだ。
ここは猿が多いことで有名で、メガネやイヤリングなどを盗られるということで、順さんもメガネを外して見えない目での見学となったが、我々の弾丸ツアーは日中の暑いさなかに行ったからであろうか、遠目に1、2匹の姿を見ただけで、彼らも昼寝の時間だったらしい。いつ頭上から襲いかかってくるのだろうかとびくびくしながら歩いていたが、全くそういうことはなかった。ここの寺は、日中の暑いさなかに行くのに限るのかも知れない。
ここでは現地の人もお参りに来ていたが、供え物は頭の上にうまく載せて運んでいた。また鶏よりも小さめの鳥を絞め殺した状態で持って歩いており、これが生け贄の象徴とされるのだろうなぁと思いながら見ていた。
【トラジャコーヒー】
更にバスの旅は続く。デンパサールの町に戻って、コーヒーショップへ連れていかれる。てっきり時間の都合だけでコーヒータイムになるのかと思っていたが甘かった。何のことはない。スマトラコーヒーの豆を売る店であった。勿論コーヒーは飲ませてもらったが、我々はそれだけ。250g8US$という値段もインドネシアの物価を考えるとかなり高いものだと思う。品物そのものはグレードの高い物だろうし、味もよかったが、もう少し安くないと買う意欲は湧いてこない。ツアー客もあまり買わなかったが、店の人もあまり強くは進めていなかった。
【タナロット寺院】
今日最後の観光は、タナロット寺院。いわばこのツアーの最後の観光になる。ここまではまた1時間以上バスに乗ることになる。丁度バリの人々の帰宅時間と重なったために、今度もバスは思うように動かない。現地のガイドは50分くらいと言っていたから、だいぶ予定オーバーとなったことだろう。
タナロット寺院は岬の先にちょこんと飛び出している小島の上に立つ寺である。満潮時には島となるが、我々が到着したときは干潮で陸続きになっていて、すぐ下まで行くことができた。ここは夕日をバックにしたシルエットがきれいというわけで、それを見に来たのだが、高台のビューポイントはしっかりと地元のコーヒーショップになっている。我々はその高台ではなく、海岸線を10分近くかけて移動してその時を待った。生憎と雲が多くて、真っ赤な夕焼けと黒いシルエットという絵葉書のようにはいかなかったけれどもその雰囲気だけは味わうこ
とができた。ここは夕日が目的のところだから、夕日が沈むのと観光客が去っていくのとは同期されている。一斉にそれらの車が駐車場からデンパサールへ向かうことになる。
重なり合うテールランプを見ながら、デンパサールに向かって、来た道を戻っていく。帰りも1時間を要した。
【夕食】
夕食はクタにあるシーフード・バリという店。ここは自分で魚を選んで中華風に料理してもらうという店だ。しかし、我々はコース料理。3万Rp也のビールを2本飲んだ。ここが一番高かった。
帰りにショッピングセンターで降ろしてもらおうと思ったが、疲れたのでホテルへ直行。