○夏の終わりのアラスカ(2004年8月23日〜29日)

8月24日
 【デナリ国立公園 Denali National Park & Preserve】 終日

【デナリ国立公園ツンドラワイルドネスツアーTundra Wilderness Tour】
 朝はまだくらいうちから起き出して出発に備える。ただ、5時出発と思っていたのでそれよりは少し遅い。
 一番早いのが5時30分らしい。我々はその10分後。早々とバスの出発地点に行って待っているとようやく一号車が到着。小さなバスかと思っていたら、50人くらい乗る大きさのバスなのでびっくりした。しかも満員。
 二号車は、我々だけでなく外人さんも乗り込んできたが、運転手の裁量でその人たちは別のバスに乗り込むことになったらしく、すぐに降りていった。代わりに日本人二人が乗ってきたので、日本人ガイドも含めて総勢41人。
 このガイドは我々のツアーに付いてきた人なので、通常は運転手がガイドを兼ねるらしく、どこでバスを止めるとかすべての権限は運転手が持っているということだ。このガイドさん、今野道博さんと言って犬ぞりのプロマッシャーだという。あとから調べたのだけれどもその道では結構有名な人のようだ。
 ランチ(ブレックファースト)ボックスが用意されていたので早速食す。
 周りの様子はまずタイガ。エゾマツやカラマツなど針葉樹が、風が強く冷え込むために木が枝を横に広げることができなくて、真っ直ぐに伸びているという。それからしばらく行くとツンドラになる。
 ここは凍土で木が育つことができないが、夏の間に、表面だけが融けて湿地帯を形成し、背の低い木本植物や蘚苔類、地衣類が生育するとのことで、今がその時期だ。あちこちに沼が見られる。また、タイガとツンドラの境目辺りに酔っぱらいの森というのがあって、せっかく伸びた木が、足下の地面が溶けて立っていられないために右に左にと倒れかけている一帯のこと。
 そんな説明を聞いていると、次々に動物を見ることができた。
<ムース>
 メスとオスの両方が見られた。オスにはメスにない立派な角が付いている。手のひらを広げたような角なので、見てすぐにわかる。ただ、木の間にいるのでなかなか全体の姿をとらえることは難しかった。
 話は飛ぶが、このページは2004年10月2日に作った。あの記念すべきイチローがジョージシスラーの記録を84年ぶりに塗り替え259本目のヒットを放った日だ。そしてイチローが所属するチームがマリナーズ。そしてマリナーズのマスコットは、このムースなのだ。(MLBのページから)
<ライチョウ>
 道ばたにいるのを運転手が見つけた。走りながらこんなに小さな物を見つけるのだから、さすがにプロは違う。ライチョウはすぐそばにバスが止まっても慌てるわけでもなくじっとそこに佇んでいる。獲物を探しているというより、景色を楽しんでいるような感じだ。
 次にもライチョウですといわれたが、色が違う。これも保護色のせいか。

(1回目のトイレ休憩)7時10分〜7時20分

<ドールシープ>
 オオカミから身を守るために、急な斜面や崖の上に生息しているというこの白い羊は、本当にすごい所に住んでいた。ために、白い点としか見えず、双眼鏡でやっと形がわかるくらい遠くにいた。やせ細っていて足が細くて危ない感じだ。ただ、夏の食料が豊富なときには下に降りてくるというから、もう少しふっくらとしているのかもしれない。右側の写真はハクセイのもの。
(2回目のトイレ休憩)8時10分〜8時15分
<グリズリー>
 遠くにちらっと見えただけだが、この後何度か目にすることになる。
 二度目に見たのは、三頭連れ。これも遠くてよくはわからなかったが、たぶん親子連れだろうと思う。
 そして次が圧巻。色はグリズリーの灰色とは違うのだが、どんどん近くに寄ってきて、何とバスの後ろを横切って道の反対側に行ったのだ。その間全くバスを無視している。こんなに間近に野生の熊を見られるなんて、驚き。どのくらい近寄れたかは、写真の牙の部分を見ればわかるだろう。毛並みだって撮れた。
 地中のジリスを捕まえようと穴を掘ったり口を穴の中に入れたりする仕草は、先に見たパンダを思い出させる動きで可愛くさえあった。
 そのあとも二頭一緒の熊を目撃。こんなに目にするのは超ラッキーなのだそうだ。
<カリブー>
 トナカイの1種。見るからに立派な角だ。オスもメスも角があるというので、どちらかわからない。これでサンタクロースを引くのかなと思ってしまった。

 上段がオスで、下段(左の写真)がメスのように思うのだけれども・・・
<オオカミ>
 これも遠くに三匹が確認された。エサ時でないのかゆったりと過ごしていた。全く犬のように見える。双眼鏡でやっとわかるような距離なので、写真にとっては見たものの黒い点にしかならなかった。
<マッキンリー・・・見えず>
(3回目の休憩)9時20分〜9時35分 折り返し点
 ここでコーヒータイム。バスの後ろからお湯が出るという初めて見る構造だった。
 本当なら目の前に大きなマッキンリーが見られるということなのだが、厚い雲に覆われていて全くその片鱗も見せてくれない。運転手が見えるとこうなるという写真を見せてくれて、雰囲気だけ味わった。途中ちらっと見られたとのことだった。則は見えたといって写真を撮っていたが、他の客は誰も見られなかった。
<ナキウサギ>
 道路際にちょこんと座っていて、でも小さいだけに臆病なのか、すぐに草の陰に隠れてしまった。
<鳥>
 渡りガラスと羽に白い所のある鳥の2種類が確認された。
<帰り道>
 右に熊だ左に鹿だとカメラを構えて過ごしていて、気がついてみれば、あたりはすっかり日が昇って、昼少し前になっていた。周りを見るともう紅葉しており、私たちは今年一番の紅葉をここで見ることが出来た。
 途中2回のトイレ休憩を取ってから昼食場所へ直行。また大きなサンドイッチ。

【ハイキング】
  ホテルで一休みした後、近くの湖までハイキングに行くことになった。
 線路際にある登り口まで車で送ってもらって、そう急でもない道を歩いていく。花の季節には遅すぎて周りの道にはラズベリーとパンプキンベリーが赤い実をつけている程度だった。しばらく歩いていくと眼下に湖が見えてきた。
 その周りをぐるりと1周するのが今回のハイキング。あいにくぱっとしないお天気なのだが、周りの山や木々が映ってそれなりにきれいだった。下の右の写真が少しガスって見えるのは、山火事の影響だそうで、この時点でもまだ燃え続けていると言うことだった。
 帰り、丁度アラスカ鉄道の列車が通るということなので、送りの車を一番最後にして貰って待つこと約30分。目の前を通る列車に夢中になってシャッターを切った。明日はこれに乗るのだ。
 今日はホテルは変わらない。