ニュージーランド花紀行 第六日目(2004年1月1日)


ミルフォードトラックハイキング
船→60分→出発→15分→グレードハウス→15分→吊り橋→75分→クリントン小屋→25分→湿原への分岐点→15分→千年ブナ分岐点→20分→吊り橋→10分→グレードハウス→20分→船着き場→60分→バス

<朝>
 昨日かなり歩いたので、足が痛いかと思ったが、そうでもなかった。マテソン湖で痛くなった太ももの痛みを薄くなって来ている。
 朝食は7時からなので、いつものように一番乗りで行くと、既に添乗員さんがいて、お雑煮を作ってご馳走してくれた。それに加えて我が家は、自分たちで持参したお酒でおとそとし、ささやかに正月気分を味わった。

 それから朝の散歩。近くの野鳥のワールドセンターがあるというので、出かけた。が、これが思ったよりも遠くて途中で引き返そうかと思ったくらいだった。ただ、せっかくだからと早足で歩いてとりあえずは見てきた。鳥たちは檻に入れられていて、要するに動物園と同じだったのでちょっとガッカリ。写真だけ撮って、帰りもかけ足状態。
 則だけが早く帰って出かける準備をすることにして、順さんは少し遅れて着いていった。その途中、湖面にかかる虹を見つけて、遅れているにもかかわらず、則がいないのをいいことに順さんは写真を撮る余裕を見せた。代わりにそこからはかけ足だったが。

 それなのに、出発は9時15分の予定だったが、現地会社の都合で遅れるとのこと、結局9時43分の出発となった。バスはマイクロ。昨日と違うのは途中で他のグループと合体したこと、そのためか、ガイドも日本人のあき氏とニュージーランド人のクリス氏の2人であった。クリスは当然日本語は話せない。

<船> 10時13分〜11時38分
 10時13分に船着き場となるテ・アナウ・ダウンズに到着。20分ほど待って、船が動き出す。これがものすごいスピードで飛ばす。風が強いこともあって、デッキに出るとかなりの水飛沫がかかる。しかし、則はそれにもめげずに最上階まで行って写真を撮っていた。順さんは船室で居眠り。

<ミルフォードトラックハイキング> 11時50分〜16時33分
 約1時間の船旅を終えて、いよいよスタートコースに立つ。ここもニュージーランド特有の鬱蒼としたシダ林が続く。昨日のガイドさんのように上手に歩いてくれるといいなと思いながら一番先頭に着く。が、このガイドさん、ほとんど説明もなくただ黙々と歩くだけ。それも、みんなにわかるように気を配ることもないので、あまりよく状況はわからなかった。
 ただ、この道はそう花がたくさん咲いているわけでもなく、山が見えるわけでもなく、ひたすらシダや木のトンネルの中を歩くようなものなので、あまり影響はない。
 この日の第一の関門は吊り橋。何しろ2人とも非常に恐がりで(そのくせ四国のかずら橋なども渡っているのだが)、こういうのは大の苦手。しかも下はかなりの急流。目を取られないように気をつけながら渡り始めたが、掴まるべきロープも下過ぎて不安定なためへっぴり腰で、どうにかやっと渡りきった。この橋は定員が10人となっているという、それだけでも怖い感じだ。

 それを越えた辺りから、ガイド氏も少しずつ説明を始めた。その中で「グリーンフーテッドオーキッド」というランがいたくお気に入りのように、見つけるたびに教えてくれた。これは今が盛りのようで、たくさん咲いていた。はじめは周りの色に溶け込んでいるのでなかなか見つけられなかったが、次第に慣れて自分でもすぐに見つけられるようになった。
 現地のガイド氏がこの花のおもしろさを教えてくれた。というのも、これは舌のようなものが、刺激を受けるとパタンと閉じてしまうのだ。実際は虫が来ると閉じこめるのだそうだが、悪戯してしまった。1日1回しかこの活動はできないというので、悪戯された花は、可愛そうに今日は空腹だ。

 そんなことをしながら歩いていると、川のすぐ近くを通るようになる。ここの水はもう何とも言えないくらい澄んでいて、きれいという言葉だけではもったいないくらいのものだ。そんな所に大きなマスがゆったりと泳いでいた。この頃から少し雨が落ちてきたが、林の中なのでそう気にはならない。
 却ってシダ類がみずみずしくなって、いい感じだ。(写真は若葉が王冠のようなクラウンシダ)
 歩き始めて1時間半をちょっと回った頃に目的地のクリントン小屋へ到着。ここは泊まることもできる施設が整っている。我々はここで昼食となる。今日もまたサンドウィッチだ。あけてみると何としたことか、順さんのだけみんなと内容が違う。サンドウィッチの中身も違うし嫌いなヨーグルトがなくて代わりに果物が入っていたりした。ジュースも1人だけリンゴ。何故?誰かのと間違えたのか、もしかしたら大当たりなのかも知れない。そんなことを思っていると、現地ガイド氏のクリスが寄ってきて、則の持っているデジカメに非常に関心を示して、いろいろと質問してきた。どうやら欲しくてたまらないという感じで、手に取ったりしてしばらく眺めていた。

 そこで1時間近く休憩して、帰路につく。同じ道を戻っていくだけだと思ったら、途中ちょっと寄り道をして湿原地帯へ入っていった。といっても一回りが20分程度の広さしかない所なのだが。そこでは花よりも「こまどり」という黒い鳥が寄ってきて、ガイド氏の足下をつつくようにしている。全然人を怖がらない。この鳥は吊り橋の所でも寄ってきて、地面をたたくと喜びますよということで、何人かがそうしていた。
 更にもう一カ所寄り道。千年ブナというものを見た。大きな立派なブナだ。
それからはただひたすら歩くだけ。吊り橋も行きと同じようにドキドキしながら渡ってようやく船着き場に戻ってきた。
 キーサミットのようにたくさん花が咲いているわけではなく、高い山々が見えるわけでもない、ただひたすらシダの多い鬱蒼としたブナ林を歩くだけの行程だったが、それなりに趣があって、もっとゆっくりと散歩気分を味わいたい所だった。(左下はカマヒの花)

 5時発の船に乗って、あとはゆっくり寝て帰るだけと思ったら、何と虹が架かっているのが見えた。湖面からきれいに半円を描いて湖面に消えている虹を見た。端から端までが視界に入るこんなに小さな虹にビックリした。疲れなど忘れて、デッキに飛び出して写真を撮りまくった。
 これで3回目の虹になる。

 帰りにガイドさんがお土産の紹介をしてくれたので、早速ホテルに着いてから前のスーパーに買い出しに行く。ワインを2本、マヌカの蜂蜜を3缶。
 
 夕食は近くの中華レストランにて。美味しかった。ニュージーランドに来て初めて美味しい食事をした。

<ホテル> 昨日と同じ

<この日見つけた植物>
 マウンテンビーチ(山ブナ、またの名を南極ブナという。4年に1回赤い花が咲く)、ヤリの木(成長するに従って葉の形も変わる)、グリーンフーテッドオーキッド(らん、白い花の裏の舌のようなものは刺激すると引っ込む)、クラウンシダ(歯の裏は月の光に反射して夜光る)、ブルーム(エニシダ、紫色の花)、オドリーブキッド(白い花)、レースゴケ、モウセンゴケ、パナケナケ(白い花、ききょう)、ビーチストロベリー(きのこの仲間、シットリアガーニッシュとも言う)、カマヒ、(白い花)

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