秋色の北海道

10月1日(月)

 今朝は昨日よりも更に早い。というのはオプションで大雪山層雲峡ロープウェイで黒岳の中腹五合目へ登ることにしたからだ。6時にホテルを出発。しかしこの時期ロープウェイは紅葉見物の人で大にぎわいで、バスそのものは5分もかからずにロープウェイ乗場に着いたものの、ゴンドラに乗れたのは6時40分だった。我々は相当寒いものとの覚悟をしていたが、外気温は5合目についても10度を超えていた。既にゆきをいただいた黒岳と、少し遅めかとも思われるが紅葉とのコントラストが見事だった。下りのロープウェイも混雑を予想して早々に展望台からおりてくる。見るとロープウェイ乗場の屋上も格好の展望地。時間を気にしながらも階段を上ると、ここだけでも満足してしまうような景色が広がった。7時20分の便で降りてホテルへ戻り、その足で朝食を食べに行く。荷物の整理をして、1つのリュックサックを宅配便に頼んで、8時50分ホテルを出発。

 最初の見学地は銀河・流星の滝(8時55分〜9時15分)。我々の旅行記でも既に登場している場所。何度も訪れている。しかしながら、今回それと強く認識したのは、流れ落ちる滝が見事なのは、その周りの岩岩の形にもよることだと言うこと。そしてそれが柱状節理の岩で、厳しい自然環境のもと時々刻々と割れ落ちて形状を変化させていることだ。二つの滝の間の遊歩道を散策して、その間に落ちているおびただし岩と木の残骸はそれを物語っていた。それはそこから見上げる景観にはふさわしくはないものだから、これまで気が付かなかったというわけではないだろう。ともかく、華厳の滝も形を変えるようにこうした自然のものも我々の目にも分る形で時に変化をしていくものだと言うことが実感出来た。

 千歳まで行かねば帰れない。従って大雪山系から北海道の屋根と称される日高山脈を越えて行かなければならず、いくつかの峠を越えることになる。最初の峠越えが三国峠(9時55分〜10時10分)。大樹海のパノラマが楽しめるところとして知られている。今日は全体的にそうだったがやや曇った天気なので、ここでも大パノラマとは言え、少し霞がかかった感じで迫力は半減。

 三国峠のドライブイン横の展望地を後にバスはこの日のメインの然別湖へ向かう。然別湖は神秘のとか幻のとか言う表現をよく湖の形容に使うが、まさしくその表現がぴったりする湖。11時20分に到着。紅葉の時期だというのに、観光客もまばらだ。ホテルは2軒あるが、この数も則がもう30年近く前に訪れたときとおそらくは変わっていないと思われる。ここでのメインは今回は船旅、約40分。順さんがトイレに行っている間に船の改札となる。といっても、40名ほどの定員の小さな船。座席のみでデッキに出あれるというような構造ではない小さな船。則は急いで右側の座席を確保。船は湖畔を右回り(船は右側通行が普通)に湖畔に沿って進むためだ。この着想は的を射ていた。然別湖はこのあたりの唯一の自然湖なのだが、中央部にある島以外の名所はすべて船の右側にある。ともかく紅葉がピークという感じ。後で聞いた船の人の話では、昨日あたりの雨でやられてしまったと言うことだったが、どうしてどうして結構な色合いだった。特の湖面が静かなので、湖面すれすれに色づいている木々の色取りの湖面に映されている様は筆舌尽くしがたいものがあった。下船して急いで買い物をして再びバスの人。12時15分出発。

 今日は朝も早かったわけだが、飛行機の時間の問題(つまりは安いツアーだから人気のない時間帯の飛行になるため)もあり時間をかけて千歳へ向かうことになる。というわけで、昼食も遅め。途中の清水ドライブインでオプションの昼食(13時20〜14時15分)。順さんはしゃぶしゃぶを、則は鮭の鉄板焼を注文して半分ずつ食べた。マァこんなものか。ここで我々は買い物に走る。自分たちと職場への土産など。

 その後バスはまだ10年とは経っていない、日勝峠からの樹海ロードにはいる。いくつもの峠を樹海の中を縫うように超えて、夕張の郊外へ至る。かつての炭坑の待ちは今やメロンの村へと様変わりしてしまった。夕張郊外の紅葉山にバスは16時15分止まる。ここは夕張川のの流れに沿って、滝やよどみなどを取り入れて公園にしたところで結構マイナーな場所。でも公衆便所やゴミ箱などは完備し、地元ではそれなりの名所なのだろう。我慢に我慢を重ねてきた空が、途中から小雨模様となり出したので、売店で甘酒を飲むなどして時間つぶしをして予定より早く、16時50分に出発。最後は千歳空港にほど近い場所にある物産センター。17時45分に到着。かなり暗くなり雨足もそれなりになってきた。我々はもう荷物を整理し得終えていたので、そこでは何もあくことなくぶらついて時を過ごす。18時10分出発、20分には千歳空港に到着。

 千歳空港ではもう何もすることはなかったので、空港3Fのレストランで反省会。20時を回る頃搭乗口へ。20時48分飛行機はエプロンを離れる。22時27分、羽田に到着。ビルにはいるまでだいぶ時間がかかったが、日付の変わる頃には無事に家に戻ることが出来た。

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