7月26日(日) 白血球数400。絶食。


(順さんの記録は8月1日に記載したものです。)

 5時に完全に目が覚める。5時50分に採血と抗生剤を点滴で入れる。また少し熱が出てきたので、7時40分に座薬を入れた。8時30分にA医師きて、だいぶ調子がよくなったと腹部を見ながら確認し、明日またエコーを撮ろうかなぁと言った。

 食べ物のにおいがやけに鼻につく。食事時の廊下なんて最悪。胸がむかついて戻したくなるほどいやなにおいが立ちこめている。以前もそうだったが、具合が悪いとこの食べ物のにおいというのがとてもいやなものに感じるのはどうしてだろう。ただ、相変わらず絶食なので部屋に閉じこもってさえいれば我慢できる。しかし、何も食べないのに唇に炎症が出来てみっともないし痛い。舌先にも出来物。最悪。

 今日は来ないと思っていたA医師が11時過ぎに来る。信じられないと言う言葉が思わず口をついて出る。「明日もう一度採血。それから出来るだけ水分を摂るように。」と言い置いてさっと消えた。こちらはもう寝ていたので頭がぼんやりしているうちの一瞬の出来事であった。


則裕の記録

 順さんは5時に完全に目が覚める。5時50分に採血と抗生剤を点滴で入れる。また少し熱が出てきたので、7時40分に座薬を入れた。8時30分にA医師きて、だいぶ調子がよくなったと腹部を見ながら確認し、明日またエコーを撮ろうかなぁと言ったそうだ。

 9時頃私は病院へ着く。10時になって、近くの大型スーパーに順さん指示の買い物(リップクリームと手鏡)とジュースとそれに私の食事を買いに行く。その間、10時35分に消化器内科の医師が来て、診察をして、痛みが少なくなったのを確認して、血液検査の結果もよくはなってきているが、もう少し食べるのは我慢してくださいと言ったとのこと。

 さて今日の順さんの状態だが、身体全体にむくみが来ているように思う。これは本人も自覚しているようだ。点滴が相当入っているせいなのかもしれない。腕時計も腕に鎖の形が残るので外してしまった。お腹の痛みは昨日迄よりは改善されてきているので、そう文句を言える状態ではないが。

 リップクリームを買ってきたら、やはり痛いのだろう、最初のうち同じく買ってきたちっさな鏡で唇を見ながら、盛んに塗っていた。

 14時過ぎから体温がまた反転して上昇を始めた。8時間間隔で座薬を入れているので、15時には座薬を再度入れてもらった。上昇が始まると、解熱剤を入れても2時間くらいはそのまま体温は上昇し続ける。こちらもそのことが分かってきたので、エクセルでグラフ化して、その状態をチェックしている。体温が下がり始めると、けっこう汗をかく。この汗が出始めると気分が良くなる。果たして今日はどうか。

 そうそう重要なのは白血球の数。今日の朝の検査結果は、400と言うことで、一昨日は500、昨日300で、ようやく白血球数にも反転が見られるようになった。これは今一番欲しいデータだ。

 ところが18時30分過ぎから早くも体温が反転上昇に転じた。私は疲れてぐったりしていたが、順さんが看護婦に氷枕を要求。申し訳ない。だいたいグラフを見ていてもやや右上がり、つまり解熱剤で下がることは下がるのだけれども、低いピークが上昇傾向にあるのだ。また他の菌が悪さをし始めたのか?

 次第に体温がまた上昇に転じたせいかもしれないが、順さんが夢の話をした。入院してから最初の頃、花とか刺繍した布、自然のきれいな風景、それらがズームアップされたり引いたりしたりとして、それらがパノラマのように次から次へと現れた。ただし鳥とか動物とかは現れない。最後の真っ赤な壁から人の顔のようなものが浮き出た。そこで順さんは「神と同じ力を私に分け与えてくれ!」と叫んだそうだ。そうしたら、そこで夢がぷつんと終わったのだそうだ。それからはその続きを見たいと念じても、それまではウツラウツラの中で、何回も続きをみれたのに、もはや二度と見ることはなくなったという。それが昨日くらいまでの出来事だったという。一方今は白黒の映像しか現れないという。

 ちょっと体温が上がってきており心配だったが、洗濯物も結構あるしそうそう職場も休んでおられないので、9時過ぎに病院を出る。

 10時に座薬を入れる。11時過ぎにA医師が来た。発汗が多い。A医師も水分を沢山撮るように指示。この汗は、翌日午前1時過ぎまで続く。